設計スタッフの徒然話

よく質問される専門用語~その3~「破風・鼻隠し」

 

今回は建物の外部仕上となる部分のお話です

「破風・鼻隠し」

はふ・はなかくし と読みます

おもしろい名前ですよね!

 

①破風

破風は、材料によっては板状で出来ているので破風板と呼ぶこともあります。

文字通り「風を打ち負かす」という意味があります。

昔からの瓦屋根の場合、瓦の下に風が入って動いたり吹き飛んだりしないように必要な部材なのです。

通常は破風に軒樋(のきどい)がついているため隠れてしまいがちです。

 

②鼻隠し

鼻隠し・・・特におもしろい名前ですよね!

これは垂木(たるき)という屋根下地木材の小口(切り口断面)を鼻に例えて、

それを隠している材料だから鼻隠しなんです。

破風は水平設置ですが、鼻隠しは三角屋根の正面から見えやすく斜めについています。

 

 

破風・鼻隠しは昔々の建築からある部材なんですね。

また、防火上の役割もあります。

外部から見えている破風・鼻隠しの裏には木材の板が存在しています。

木材そのままでは周囲から火の手が上がった時、大変燃え移り易くなってしまいます。

その為、仕上の破風・鼻隠しは不燃材料でつくる事がほとんどです。

さて、この破風・鼻隠しがアイコーホームの建てる家ではこちらの部分です。

青で印たカ所が破風です。

赤で印たカ所が鼻隠しです。

こちらの写真のお住まいでは外壁に窯業系サイディングを採用している為、

破風・鼻隠しも同じ窯業系としています。

(※窯業系:窯業(ようぎょう)は、粘土・けい砂・石灰石などから、陶磁器・瓦・ガラス・セメントなど、非金属原料を窯で高熱処理してつくる製品のこと。)

色は全体のデザインによって、白以外にも黒かったり茶系だったりします。

↓ 破風・鼻隠しが黒っぽいデザインだとこうなります

こちらのお住まいでは内外装共に和モダンテイストを取り入れたので、

黒い破風・鼻隠し、さらに軒裏も黒くすることで引き締まった印象に。

 

一方↓こちらの写真のお住まいでは外壁に漆喰塗りを採用している為、

破風・鼻隠しも同じ漆喰塗りとしています。

このように特に大きな切り妻屋根では外観上目立ってきますね!

 

最近は破風・鼻隠しをなくしたデザインというのもあります。

軒の出・破風・鼻隠しをなくすことによって

モダンですっきりシンプルな印象になります。

特に東京23区内では敷地にゆとりがある事が少ないので、

このようにすっきりデザインにすることで高さ制限から逃れるなどのメリットがあります。

もちろん、軒の出が深く破風・鼻隠しがあるデザインのメリットも沢山あります。

そのお話はここで書くと長くなってしまうので、また今度にさせていただきますね!

 

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